全国布教同志会とは
全国布教同志会が発足したのは、親鸞聖人700回大遠忌の執行された昭和36年と伺っておりますから、丁度本年は60周年に当たります。これは記録によりますと本願寺の全国布教団より早く設立された布教団体であるということで、設立当初から各教区の錚錚たる方々が入会されていました。爾来60年間連綿として活動を続けてきたということは大いに誇るべきことであり、なによりもその間、会の運営とその発展のために尽力されてきた方々に深く敬意を表したいと思います。また、こうして名簿を見ますと、会の創設以来今なお、お元気で活躍されている方もおられるようで、まことに心強く感じざるをえません。
ところで、私の手元には全国布教同志会50周年を記念してまとめられた「50周年のあゆみ」がありますが、それには創立以来の詳細な記録がまとめられています。それを見ますと全国各地に支部が結成され毎年各支部を持ち回りで全国布教大会が盛大に開催されてきたことが分かります。ただここ二年ばかりはコロナ禍のために中断していますが、コロナ禍終息とともに再開する準備がなされていることです。お念仏のみ教えを広く伝えていくために一番大切なことは言うまでもなく多くの人々に聞法の場を設けていくことであり、また、私達布教を志す者は、いつでもどこでも時処を嫌わずみ教えを伝えていくと言う姿を忘れてはならないと云うことです。このことを強く感じられますのは蓮如上人の御文章に表れている上人のお姿だと思います。御文章を拝読いたしますと、御門徒達やお弟子達に対する時には厳しい戒めの言葉、時には噛んで含めるような懇切丁寧な説明、またご自身の率直な感慨など平易な言葉で語られています。そこには上人と御門徒が同じ目線で文字通り膝を交えて語り合う姿がみられます。お念仏のみ教えを一代で大きく拡大されたのは時処を選ばない布教の姿勢にあったものと思います。このことは宗祖親鸞聖人にもあてはまることで、聖人が門徒に宛てた御消息集にも見られることです。
ともあれ現代社会を見ますと様々な思想や信条が交錯し、国際的には政治制度の差異、イデオロギーの対立などまさに五濁の中の見濁の状況といえます。その中にあってこのお念仏のみ教えを伝えていくことは容易ではありません。それだけにこの布教同志会の果たすべき使命も大きいものがあります。
会員同士が手を取り合い、さらに有縁の方々にも勧めて会員の増加をはかっていただきたいと思います。また支部の出来ていない教区にもはたらきかけていただきたいと思っております。五濁悪世悪世界のただなかに高く法灯を掲げて煩多の悪路もものとせず進ならばさすがのコロナ禍も鎮まるものと思います。
合 掌